数値シミュレーションや理論解析により
地球の表層や内部の運動の解明と
地球の未来の予測を目指す
地球の表層や内部の運動の解明と
地球の未来の予測を目指す
- 氏名・所属
- 吉田 晶樹(よしだ まさき) 博士(理学)/立命館大学理工学部物理科学科
- メールアドレス
- masakiy○fc.ritsumei.ac.jp(○はアットマーク)
- 専門分野とキーワード
- 地球物理学(プレートテクトニクス、マントルダイナミクス、マントル対流、ジオイド・重力異常)
- 地球進化学(超大陸サイクル、大陸移動史、地球史、プレートおよび地殻の形成と成長、クラトン)
- 地球造構学(プレート内応力場、スラブ内応力場、スラブ内浅発大地震、リソスフェア内の断層型)
- 数値流体力学(大規模並列シミュレーション、レオロジー、非定常熱対流、有限体積・有限差分法)
- 研究内容
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地球の内部や表層の運動に関する多岐にわたる研究テーマを扱っています。特にマントルダイナミクスとプレートテクトニクスに関わる地球科学上の第一級の未解決問題(例えば、プレート運動や大陸移動の主要な原動力は何か?地球内部に閉じ込められた熱はどのように地表面に輸送されるのか?といった問題)を数値シミュレーションや理論解析で解き明かすことを目標としています。
- 研究手法
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地球の内部構造やダイナミクスを解明しようとするとき、数値シミュレーションは、陸上や海域での調査・観測、岩石試料の高圧実験や化学分析などに並ぶ重要な研究手法の一つであり、これらの研究から得られるさまざまな地球科学データを最大限に活用して、過去や現在の地球の表層運動や対流運動を復元・再現しつつ定量的解析が行える唯一の手法です。とりわけ、地球46億年の進化に多大な影響を及ぼしてきたとされる地球の表層運動と対流運動との力学的・熱的相互作用の解明には、今後も数値シミュレーションが重要な役割を果たすと考えています。
また、なにより、数値シミュレーションは未来を予測するのに必要不可欠な手法です。私の研究の特徴として、比較的地球科学データが豊富な現在の地球を初期状態とした大規模三次元数値モデリングにより、近い未来から数億年後といった、かなり遠い未来の地球を予測することにも力を入れています。
- 研究の武器
- 大学や研究機関が持つスーパーコンピューター(スパコン)は、数千キロメートルの空間スケールと数10億年の時間スケールにわたる固体地球の表層や内部の運動を再現する上で、非常に強力な武器です。スパコンの能力を最大限に活用した過去、現在、未来の固体地球現象の研究、および、それに必要な数値シミュレーション技術の開発を長年行っています。
- 共同研究
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プレートやマントルを構成する岩石の流動則(レオロジー)をより厳密に数値モデルに組み込んだり、いまだ実態がよくわかっていない地球の内部構造をモデル化したりするためには、新しい数値計算手法の開発やモデルの複雑化のみならず、隣接分野の最新の科学的知見や仮説が必須です。そのため、地質学、岩石・鉱物学、地震学、地球化学などの分野の研究者とも共同研究を行っています。
